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業務無線(ぎょうむむせん)または業務用無線(ぎょうむようむせん)とは、狭義には業務用の情報伝達のための専用無線をいい、広義には電気通信役務として電気通信事業者が公衆に提供する(携帯電話PHS等)以外のほぼ全ての無線をいう。

アマチュア無線局は「アマチュア業務電波法施行規則第3条第1項第15号 アマチュア業務 金銭上の利益のためでなく、もっぱら個人的な無線技術の興味によって行う自己訓練、通信及び技術的研究の業務をいう。」のための無線局電波法施行規則第4条第1項第24号 アマチュア局 金銭上の利益のためでなく、専ら個人的な無線技術の興味によつて自己訓練、通信及び技術的研究の業務を行う無線局をいう。であり、放送局は「放送業務電波法施行規則第3条第1項第3号 放送業務 一般公衆によつて直接受信されるための無線電話、テレビジョン、データ伝送又はファクシミリによる無線通信業務をいう。」のため無線通信放送法第2条第1号 「放送」とは、公衆によつて直接受信されることを目的とする無線通信の送信をいう。を行う無線局放送法第2条第3号 「放送局」とは、放送をする無線局をいう。であるが、通常は業務無線には含めない。

種類


総務省告示平成16年総務省告示第860号「無線局免許手続規則別表第2号第1等の規定に基づく無線局免許申請書等に添付する無線局事項書の無線局の目的コードの欄及び通信事項コードの欄に記載するためのコード表」の別表第2号「通信事項コード」による)
警察無線
警察庁
道路交通情報に関する事項
消防無線
地方公共団体
消防の任務に関する事項
消防波、救急波、消防団波など。
防災無線
国土交通省、
地方公共団体
など
防災事務に関する事項
中央防災無線、市町村防災行政無線など。
鉄道無線
鉄道事業者、
軌道経営者
列車防護警報に関する事項
列車無線、乗務員無線防護無線など。
列車無線のうち誘導無線方式は、無線局ではなく高周波利用設備としての許可を必要とする。
船舶無線
海上保安庁、
海上運送事業者、
漁業協同組合
など
海上運送事業に関する事項
漁業通信に関する事項
港湾管理に関する事項
国際VHF、漁業無線など。
航空無線
航空事業者
など
航空交通管制に関する事項
航空事業に関する事項
航空交通管制、カンパニーラジオ(航行中の飛行機との社内連絡用)など。
空港無線電話
電気通信事業者
電気通信業務に関する事項
空港構内でのグランドスタッフによる各種連絡用。
放送局の無線
日本放送協会
一般放送事業者
放送番組素材の中継に関する事項

タクシー無線
タクシーとの通信。
一般業務無線
上下水道事業に関する事項
電気事業に関する事項
ガス事業に関する事項
ニュースの取材及び速報に関する事項
バス会社・水道事業者電力会社ガス会社新聞社など。

SR (Service Radio) と呼ばれることがある。
MCA無線
簡易無線と重複
(利用者)
(制御局)
利用者の指令局・移動局には、無線従事者を必要としない。
簡易無線
企業、団体など
主として一般業務無線が免許されない中小企業や町内会などの団体に使用される。
簡易な動画伝送にも使用される。
CR (Convenience Radio) と呼ばれることがある。
防衛無線
防衛省・自衛隊
防衛に関する事項
航空無線航行に関する事項
レーダー及び移動体無線設備については、自衛隊法第112条により電波法の適用が一部除外される。
自衛艦はこの他に船舶無線も搭載している。

業務用無線機

特徴


通常良く見られる業務用無線機には一般的に次の特徴がある。

  • 外観
    • 決められた無線局との間で確実な通信が出来れば十分であるため、最小限のスイッチ・つまみを備えるのみで、アマチュア無線機のような運用者の裁量で機能や特性を変更するための多数のスイッチ・つまみは持たない(「電波の質に影響を及ぼす技術操作」ができるのは、第三級海上無線通信士以外の無線通信士陸上無線技術士、第一級陸上特殊無線技士アマチュア無線技士のみ)。多くの場合、電源スイッチ(及び連動する通電表示灯、通話状態表示灯)と音量調整つまみ、スケルチ調整つまみ、チャネル切替スイッチのみである(周波数が一つの場合はチャネルスイッチはない。音量・スケルチが内部で調整されていて操作出来ない機種さえもある)。悪天候・悪環境の中で使用される(特に消防用携帯無線機は裸火に曝される事さえある)事も想定し、防爆・防塵・耐水・耐衝撃性に優れた筐体を持つ。
  • 回路
    • 設計は多機能が要求されない分、高信頼性の実現に注力される。確実な通信という観点から、耐妨害性に重点を置いた回路構成となっている。このため、少々の感度低下を許容して、急峻なスカート特性のフィルタが使われる。感度についてはアマチュア無線とは異なり予め利用状況(運用者間の距離や地形、基地局の機器・配置)を含めた総合的な設計により通信に十分な信号強度を想定する。感度が良すぎるとオーバーリーチとなり混信の原因となることから、無線機とアンテナの間に減衰器(アッテネータ)を挿入して感度を落とすことさえある。複数の周波数に対応するためPLLシンセサイザを用い、周波数が一つの場合であっても変更できないのみで専用の設計はされないことが一般的である。VCOのC/N(搬送波対雑音比)には特段の注意が払われる。

メーカー


アンテナメーカー


電波法の罰則


電波法第108条の2に「重要無線通信妨害罪」として「電気通信業務又は放送の業務の用に供する無線局の無線設備又は人命若しくは財産の保護、治安の維持、気象業務、電気事業に係る電気の供給の業務若しくは鉄道事業に係る列車の運行の業務の用に供する無線設備を損壊し、又はこれに物品を接触し、その他その無線設備の機能に障害を与えて無線通信を妨害した者は、5年以下の懲役又は250万円以下の罰金に処する。」と定められており、刑法第234条の威力業務妨害の「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」より重く処罰される可能性がある。

脚注

関連項目



無線



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